■第223回研究会(19年5月)のお知らせ

自営専門職の拡大とその行方
      --新しい「働き方」に希望はあるか?

  と き  5月25日(土) 午後1時30分~4時30分  

  ところ  エルおおさか(大阪府立労働センター)南館7F72号室(電話 06-6942-0001)

  報告者:仲 修平さん(東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター助教)


 雇用されずに自ら事業を営むことは、様々な事情で雇用労働が困難な人々にとっても、生計を維持する別の選択肢として重要な意義を有している。また、近年の日本の雇用政策においては、「兼業・副業」や「テレワーク」の推進がうたわれており、その文脈でも自営的な働き方に注目が集まっている。現実には、戦後日本の自営業は衰退し、この30年間を見ても300万人以上減少している。しかし、職種別にみると「専門的・技術的職業」に従事する自営業者は増加しており、いわば「自営専門職」は拡大傾向を見せている。直近の調査によれば、インターネット経由で請け負う仕事の裾野が広がり、独立自営で働くフリーランスが増えていることが指摘されている。
 では、どのような人々がどんな仕事に就いていて、その働き方の実態とはどのようなものだろうか。また、そこにはどのような希望と課題があるのだろうか。本例会では、これらの問いに対して社会調査データを用いて計量的にアプローチし、『岐路に立つ自営業–専門職の拡大と行方』の著書を出版した仲修平氏を講師に招き、議論していく。低賃金な不安定雇用者の増大や脆弱な社会保障制度に鑑み、「現代社会は、たとえ雇われて働いていたとしても自営業のように生活保障の面で企業から独立した働き方を迫られる時代にある」と、仲氏は述べている。雇用者にも通じる「自営という働き方」の本質に迫りたい。