職場の人権・第218回例会(2018年10月)のお知らせ

研究会「職場の人権」では、1999年の設立以来、毎月(年10回)定例の研究会を開催しています。皆さまの積極的なご参加をお待ちしております。ご希望のテーマやご意見等がございましたら、何なりと事務局までご連絡ください。(会場費は500円、但し会員は無料)

■第218回研究会(18年10月) 

 危惧される外国人労働者の「労働と人権」
     --日本の外国人労働者政策を検証する

  と き  10月20日(土) 午後1時30分~4時30分  
  ところ  エルおおさか(大阪府立労働センター)5F研修室1(電話 06-6942-0001)          
  (地下鉄谷町線、または京阪電車「天満橋」駅下車。西へ徒歩5分)

  報告者:早崎 直美さん 
      RINK(【すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク】事務局長)
  コメンテーター:真嶋 潤子さん(大阪大学大学院言語文化研究科教授)

 技能実習生制度のさまざまな矛盾が指摘されているにもかかわらず、労働力不足を根拠に外国人労働者の受け入れ拡大のために、政府はあらたな在留資格の創設を検討していると報道されています。大手企業も含め技能実習生に対する不正な働かせ方が明るみになっているなかで、さらに外国人労働者の労働力に依拠しようとするのであれば、まずは外国人労働者の「労働と人権」が確保されなければなりません。
 例会では、RINK(すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク)の早崎さんに外国人労働者の現況と私たちの課題についてお話していただきます。早崎さんは、「外国人労働者が働きやすい職場、住みやすい社会は、日本人労働者にとっても働きやすく、住みやすい。外国人労働者の現状は、日本人労働者の状況の反映ではないのか?」と指摘しています。また、留学生教育、日本語教師養成に携わる一方、技能実習制度に関わる言語政策に関心を寄せている真嶋先生にコメントをお願いしています。ご参集ください。

職場の人権・第217回例会(2018年9月)のお知らせ

■第217回研究会(18年9月) 

  進化する韓国の労働行政と労働運動

 と き  9月22日(土) 午後1時30分~4時30分  
 ところ  エルおおさか(大阪府立労働センター)5F研修室2(電話 06-6942-0001)          
      (地下鉄谷町線、または京阪電車「天満橋」駅下車。西へ徒歩5分)

  報告者:金 光男さん(在日韓国研究所)

  コメンテーター:安 周永(アン・チュヨン)さん(龍谷大学政策学部准教授)

 横暴を極める安倍政権は、ついに「働き方改革」なるものまで強行採決しました。この法案が積み上げられてきた労働法制、さまざまな規制の緩和に道を開くものであることは、多くの人たちが指摘しているところです。もはや議会内での攻防に留まる限り、その限界は明白と言えるでしょう。
 一方韓国では、民衆のロウソク革命によって朴槿恵政権を退陣に追い込み、文在寅政権を誕生させました。そして日本とは真逆の労働政策が進められようとしています。朴元淳ソウル市長の労働政策、貧困の解消、非正規職の正規化は注目されているところですが、そうした取り組みが文政権にも連動し引き継がれ、いま大きな労働政策の変化、改革が起こっています。そうした政策を突き動かし下支えしている民衆の運動、労働者の闘いは果たしてどうなっているのか。私たちの教訓としてあります。
 韓国の情勢、民衆の運動に精通し、いつも的確な情報と緻密な分析で私たちを鼓舞してきた金光男氏にご報告していただきます。また、『日韓企業主義的雇用政策の分岐-権力資源動員論からみた労働組合の戦略』等著されている、安周永先生にコメントしていただきます。ご参集ください。

職場の人権・第216回例会(2018年8月)のお知らせ

■第216回研究会(18年8月) 

 生きづらさを抱える若者への<就労支援>とは何か

  と き 8月4日(土) 午後1時30分~4時30分  
  ところ エルおおさか(大阪府立労働センター)501号室(電話 06-6942-0001)          
      (地下鉄谷町線、または京阪電車「天満橋」駅下車。西へ徒歩5分)

  報告者:貴戸 理恵さん(関西学院大学教員)
  コメンテーター:山田 潤さん(「学校に行かない子と親の会」世話人代表)

 仕事をめぐる状況が過酷化・不安定化するなか、さまざまな生きづらさを抱え、仕事をしようとしても前に進めなかったり、そもそも「働きたい」と思えない人が目につくようになっています。「職場とつながりにくい人の人権」を念頭に置いて、生きづらさを抱える人への就労支援について考えます。具体的には、報告者が関わる「生きづらさから考える当事者研究会」の事例から、対話によって自己ニーズを生み出していく居場所的な実践に注目します。その際、居場所を重視してきた不登校運動の言説と実践のなかにヒントを見ていくことになります。
 コメンテーターは、定時制高校の教員時代から、学校から職場への若者の移行のありかたに関心を寄せ
てきた山田潤さんにお願いしています。ご参集ください。

職場の人権・第215回研究会(2018年6月)のお知らせ

■第215回研究会(18年6月) 

   社会運動と若者
    ―新たな労働運動へのヒントを探る

  と き  6月16日(土) 午後1時30分~4時30分  
  ところ  エルおおさか(大阪府立労働センター)604号室(電話 06-6942-0001)          
   (地下鉄谷町線、または京阪電車「天満橋」駅下車。西へ徒歩5分)

  報告者:富永 京子さん(立命館大学産業社会学部教員)

  コメンテーター:高橋 慎一さん(ユニオンぼちぼち)

 労働組合の推定組織率は17.1%(2017年)まで落ち込み、多くのコミュニティユニオンは後継者不足の問題を抱えています。本例会では、近年、労働運動の「新たな担い手」として注目されてきた若者たちに焦点を当て、彼/彼女らが社会運動をどのように捉えているのか、また旧来の社会運動(家)をどう見ているのかを考えていきます。
 報告者の富永さんは著書『社会運動と若者』(2017年)において、社会運動に参加する若者たちが、非日常の「出来事」ではなく日常の延長として運動を認識していることを指摘しています。働き手たちが「労働者」として同じ目標を共有することが難しい状況のなかで、ユニオンはどのように労働問題に取り組んでいくことができるのでしょうか。「ある運動に従事する者が何かを共有しているという強い仮定を前提とすること」(『社会運動のサブカルチャー化』、2016年)の問い直しを起点に、これからの労働(組合)運動に求められることを議論し、探っていきたいと思います。また、ユニオンぼちぼちの高橋真一さんにコメントをいただきます。ご参集ください。

職場の人権・第214回研究会(2018年5月19日)のお知らせ

■第214回研究会(18年5月) 

 女性の働き方は変わったのか?!
   人間らしい働き方と労働運動の変革を求めてのオルグ活動

  と き  5月19日(土) 午後1時30分~4時30分  
  ところ  エルおおさか(大阪府立労働センター)501号室(電話 06-6942-0001)                  (地下鉄谷町線、または京阪電車「天満橋」駅下車。西へ徒歩5分)

  報告者:伍賀 偕子さん(元大阪総評オルグ/元関西女の労働問題研究会)
   コメンテーター:横田 伸子さん(関西学院大学教員)

 いまやあまり聞かれなくなった「オルグ」、その数少ない女性オルグ一筋に長年活動されてきた伍賀さんに、女性の自律と労働運動にかけた思いについて語っていただきます。伍賀さんは、オルグの一方で「関西女の労働問題研究会」を結成、事務局長・代表を歴任、さまざまな講座、出版活動をおこない、『敗戦直後を切り拓いた働く女性たち~「勤労婦人聯盟」と「きらく会」の絆』(2014年6月)、『女・オルグ記~女性の自律と労働組合運動のすそ野を広げて』(2016年6月)なども著しています。
 例会では、大阪総評オルグとして、女性運動と国民生活対策を担当した24年間にめざしてきたものと、その実践過程を省みて、これからの課題につなげたい、と抱負を語っておられます。
 またコメンテーターの横田さんに、「日韓の労働組合、とくに両国の女性労組同士のおつきあいは密接で、お互いに様々な影響を与え合っている」ことの報告をしていただきます。ご参集ください。